物価上昇の今取り組みたい、支出管理のポイント

三鷹のファイナンシャル・プランナー(FP)の伊達です。
引き続き物価の上昇が続いています。食品や日用品、光熱費など、日常的に必要とされるものの多くが値上がりしており、「これまでと同じ生活をしているのに、手元に残るお金が減っている」と感じている人も少なくないでしょう。
過去10年以上なかった物価上昇の局面ですので、どのように支出を管理すればよいのか悩んでいる人もいるかと思います。物価上昇の今、支出管理をする上のポイントを紹介します。
(注)記事の内容は2026年1月30日時点のものです。
賃金は上がっているが物価上昇に追いついていない
厚生労働省の毎月勤労統計調査(2025年11月速報)によると、名目賃金は前年同月比で0.5%増加と47カ月連続プラスの状況が続いています。一方、物価変動を考慮した実質賃金は前年同月比で2.8%減少と11カ月連続マイナスの状況が続いています。これは、賃金の伸び以上に物価が上昇し、購買力(モノを買う力)が低下していることを示しています。
このような状況では、収入と支出のバランスを意識した家計管理をしなければ預貯金がどんどん減ってしまいます。
むやみな節約は逆効果
物価上昇の状況でしがちな行動の一つに、過度な節約があります。
「支出を減らさなければ」と支出を一気に削ると家計は一時的に改善したように見えるでしょう。しかし、短期的な視点での対策は、生活満足度を下げたり、ストレスを増やしたりする危険性があり、結果的に長続きしないケースが多く見られます。
家計管理は「長く続けること」が最も重要ですので、ストレスのかかる過度な方法は長期的に考えると逆効果になりかねません。
収入の増減を踏まえた「ゆるい節約」という考え方
実質賃金が減っている状況でも、名目賃金は増えています。給料の金額だけを見ると増えているわけですので、その増加分をどう使うかがポイントです。
おすすめする支出管理の方法は、収入の増加分を上限とした支出管理です。支出を減らすというよりも、「収入が増えた分の範囲内で支出をコントロールする」という考え方です。
確かに、これまでと同じ買い物をすることはできません。しかし「賃金が増えた分については支出の増加を良しとする」という考え方ですので、生活の質を大きく下げることなく家計を安定させることができるでしょう。
支出管理に取り組む手順
この「ゆるい節約」で支出管理をする際は、次の手順で実践してみましょう。
- 支出の増加は収入の増加の範囲内に抑えるという方針を立てる
- 現在の収入が前年同月比でいくら増えているかを確認する
- 収入の増加分を基準に、毎月の支出の予算を決める(前年より増やすことが可能)
- 生活費を項目ごとに分け、支出の優先順位を決める
- 優先度が低い支出から見直しをする
このように段階的に進めると、数字に基づて冷静に支出の見直しができるようになります。また、物価上昇の大きい食費や日用品費の割合を増やすなどの工夫もしてみましょう。
大切なのは支出の増加を放置しないこと
物価上昇が続く状況では、これまでと同じお金の使い方をすると、家計の黒字は自然と減ってしまいます。その結果、貯蓄のペースが落ち、将来に必要な資金準備に影響が出る可能性があります。
今回の内容を参考に、収入と支出のバランスを定期的に確認し、環境変化に合わせた支出管理を行ってみてください。安定した家計管理を実現できれば、将来に向けた資産形成にも安心して取り組むことができます。
ご自身で家計の分析が上手くできない、見直し方法が分からない場合は、ファイナンシャル・プランナーのような専門家にアドバイスを受けるのも1つの方法です。

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