2017年上期定例セミナー開催のご報告
2017年6月11日(日)に「2017年上期定例セミナー ~今こそ知りたい 長期資産形成の考え方~」を開催しました。マネーライフ・ラボ三鷹では、くらしのお金に関する知識を学ぶ機会を提供しており、年間継続サポートをご利用頂いている方を中心にご参加頂いております。
ニュースの背景を知っておくことが大切
第一部では「くらしのお金 定点観測」として、くらしのお金に関するニュースを紹介しました。今回取り上げたテーマは主に次の内容です。
- 個人型確定拠出年金の制度改定
- 地震保険料、生命保険料の改定
- ガス小売り自由化スタート
- 老齢基礎年金受給額見直し
まだ注目されていないものとして「ガス小売り自由化スタート」があります。昨年実施された「電力小売り自由化」と一体的に予定されていたものだとご存じの方は少ないようです。これから大手企業の参入も予定されているため、料金メニューが増えてくると注目されるのではないでしょうか。
追加情報として夏のボーナスシーズンには、定期預金に特別金利が適用されるキャンペーンが実施されることが多いことを紹介しました。金融機関のポスターやウェブサイトを見てみると発見があるかもしれないとお伝えしました。
定期的にくらしのお金に関係するニュースを見直すことで、ライフプランや日常の家計の見直しに役立つことがあります。これからも定期的にお伝えしていきたいと思います。
資産を形成する3つの要素
第二部では「今こそ知りたい 長期資産形成の考え方」として、最近話題の「確定拠出年金 (iDeCo)」や「積立投資」を始めたい人向けに基本的な考え方を紹介しました。
資産を増やす方法として次の3通りがあると言われます。
- 収入を増やす
- 支出を減らす
- 資産を運用する
実際はどうでしょうか?
- (資産の増加分)=(収入)-(支出)+(運用損益)
運用損益を生み出すにはもとになる資産が必要です。資産形成のスタートとして、確実に資産が増えるのは「収入を増やす」「支出を減らす」ことです。「資産を運用する」のは資産が増える可能性があるに過ぎないという点に注意しなければならないということを説明しました。
資産形成の成功のカギは生活費の適正化
資産を運用する手段はいくつもあります。金融資産である「株式」や「債券」、本格的なものとして不動産や事業投資などもあるでしょう。今回は「株式」を例に挙げて、投資の基本、リスクとリターンについて資本主義の仕組みをベースに説明しました。
最近話題のiDeCo(個人型確定拠出年金)でも「投資信託」への投資について記載された本や記事が多くあります。しかしなぜ「投資家になりたいわけでもない私達に、投資をする選択肢を用意しているのか」という点については割愛されている場合があります。私も15年ほど前に確定拠出年金制度を始めましたが、投資をする必要を納得するのに時間が掛かりました。自身の経験も踏まえた今回の説明で、基本のポイントをご理解頂けたのではないでしょうか。
その上で、資産運用にあたって大切なポイントを説明しました。資産を運用する過程では、資産が増えることもあれば、予想に反して減少することもあります。過去のデータをみると、長期的には世界的な経済成長に従って資産はゆっくりと増えていく傾向にありますが、短期的には増えたり減ったりしています。近々使う予定のある資金を投資に充ててしまうと、減った時期に困る事態になりかねませんので、投資する資産は「余裕資金」にする必要があります。
余裕資金とは、日常生活費だけでなく、教育資金や住宅購入の頭金など10年以内に必要な資金も除いた、残りの部分と考えています。ご家庭によっては思ったほど投資に充てる資金がない場合もあります。その場合は、生活費を適正化(一般的には節約)し、その結果うまれた資金を運用に充てる考え方を紹介しました。これであれば、景気の減速などで一時的に運用している資産が減少してもライフプランには大きな影響を与えずにすみます。
さいごに
最後に金融広報中央委員会の「金融リテラシークイズ」を織り交ぜて、お金に関する基本知識のアップを図って終了しました。定例セミナーは通常年2回のペースで実施します。次回も2部構成で実施する予定です。