2022年10月新設!産後パパ育休とは

想像力豊かな子ども達

三鷹のファイナンシャル・プランナー(FP)の伊達です。

2021年に育児・介護休業法が改正され、育児休業を中心にさまざまな改正がされています。2022年4月1日からは育児休業を取りやすい雇用環境の整備として、個別の周知・意向確認の取り組みが始まりました。

2022年10月1日からは育児休業制度が見直され、育休とは別に取得できる「産後パパ育休」が始まります。ライフプランにも大きく影響する新しい家族の誕生、その大変な時期を支える新しい制度について紹介します。

(注)記事の内容を2022年9月29日時点のものです。

産後パパ育休(出生時育児休業)とは

男女ともに仕事と育児を両立できるようにするため、2021年6月に育児・介護休業法が改正されました。男性の育児休業の取得を促すために新設されたのが、産後パパ育休(出生時育児休業)です。

産後パパ育休の概要は次のとおりです。

産後パパ育休の概要

  • 対象期間:子の出生後8週間以内
  • 取得可能日数:4週間(28日)まで
  • 申出期限:原則休業の2週間前まで
  • 分割取得:2回に分割して取得可能(初めにまとめて申し出ることが必要)
  • 休業中の就業:労使協定を締結している場合に限り、労働者が合意した範囲で可能

対象期間が子の出生後8週間以内となっており、産後休暇での出産手当金の対象期間(産後56日)と同じになっています。

対象者は産後休業をしていない労働者です。主に男性が対象ですが、養子等の場合は女性も対象であり、配偶者が専業主婦(夫)でも取得可能です。必ずしも、共働き世帯の男性に限定されているわけではありません。

育児休業も併用できますので、産後パパ育休を取得したあと、従来の育児休業を続けて利用することもできます。

休業中の給付金について

産後パパ育休を取得した場合は、出生時育児休業給付金が受けられます。

支給金額

休業開始時の賃金日額(*1)×支給日数×67%

(*1)育児休業開始前6ヶ月間の賃金を180で割った金額

支給要件

  • 休業開始日前の2年間に、雇用保険の対象期間が12ヶ月以上あること
  • 28日間の休業を取得した場合、休業期間中の就業日数が最大10日以下(10日を超える場合は時間数が80時間)以下であること
    • 28日間より短い場合は休業日数に比例して就業日数の上限も短くなります。
    • (例)14日間の休業の場合、最大5日(5日を超える場合は40時間)。

申請期間

  • 出生日の8週間後の翌日から、その2ヶ月後の月末まで

例えば、出生日が10月15日の場合、翌年2月末日までとなります。
申請は事業主が管轄するハローワークに対して行います。

休業中の社会保険料免除について

一定の要件を満たしていれば、育児休業期間の社会保険料が免除されます。

  • その月の末日が育児休業期間中であること
  • 同一月内で育児休業を取得し、その日数が14日以上の場合(産後パパ育休で就業した日は含まれません)

従来の「パパ休暇」は廃止

今回の改正で「パパ休暇」(子の出生後8週間以内に父親が育児休業を取得した場合に、育児休業を再度利用できる制度)は廃止されます。

今回の改正で、育児休業の分割取得が可能になりますので、産後パパ育休で分割して2回、育児休業で分割して2回、合計4回に分けて休業を取得することもできるようになります。

共働き世帯が多い現在、男性が柔軟に育児休業を取得できるようになることで、女性の育児の負担を減らし、育児と仕事の両立をしやすい環境作りに近づくことが期待されます。

家計の面では給付金が支給されるとはいえ休業中の収入が減少します。あらかじめ子育て時期の収入減に備えておきましょう。

育休取得後に復職すれば、収入の減少は一時的なもので済みます。育児のために仕事を辞めてしまうと、その後の再就職が難しくトータルとして収入ダウンになることも考えられます。男性も育児休業を取得することで、長期的な夫婦合計の収入アップを図ってはいかがでしょうか。

当事務所では、育児休業を考慮したライフプランや家計管理についての相談もご利用いただけます。

参考

厚生労働省 リーフレット「育児・介護休業法改正ポイントのご案内」
(https://www.mhlw.go.jp/content/11900000/000789715.pdf)

厚生労働省 パンフレット「育児・介護休業法 令和3年(2021年)改正内容の解説」
(https://www.mhlw.go.jp/content/11900000/000909605.pdf)