ライフプランと人生のイベント(備え編)
三鷹のファイナンシャル・プランナー(FP)の伊達です。
「ライフプラン」とは「人生設計」あるいは「生涯生活設計」のことであり、自分がこれからの人生をどのように生きていきたいかについて考え、そしてプラン(計画)として描くことです。と紹介しました。
そして、ライフプランに盛り込む要素として「ライフイベント」があり、次のように大きく5つに分類することができます。
- 働き方に関するイベント
- 家族構成や日常生活に関するイベント
- 住まいに関するイベント
- 車や趣味、レジャーに関するイベント
- 万一の突発的なイベント
今回は、「万一の突発的なイベント」について詳しく紹介します。
万一の突発的なイベント
万一の突発的なイベントには次のようなものがあります。
- 病気やケガ
- 事故
- 災害
- 失業
また、突発的ではありませんが、人生において備えておきたいイベントには次のようなものがあります。
- 介護
- 相続
これらのイベントは、できれば発生しないほうがよいと考えられます。しかし、人生何があるか分かりません。ライフプランに予め組み込むものではありませんが、これらのイベントに対する備えはしておきたいものです。
病気やケガ
病気やケガは、日常生活の中で誰にでも起こりうるものです。大きな病気になると医療費がかかりますが、健康保険(公的医療保険)、高額療養費制度を利用することで自己負担を抑えることができます。むしろ、病気やケガによって働けない期間が長期化したり、仕事を変えざるを得ない状況になり、収入に影響が及ぶケースに備えるほうが良いでしょう。
病気やケガには保険の加入というイメージがありますが、健康保険(公的医療保険)と預貯金で備える形にして、必要な場合に限り民間の保険を活用すると良いでしょう。
事故
事故に遭わないのが一番ですが、人生の中で事故に遭う可能性も考えられます。それに対する備えは必要でしょう。事故には、加害者のケースと被害者のケースがあります。加害者になってしまうと多額の損害賠償を背負うことになりますので、それに対する備えも忘れずにしましょう。事故は起こる可能性が小さいが、発生するとダメージが大きい典型的なものであり、保険(損害保険)への加入が有効です。
災害
近年の異常気象もあり、災害に対する関心が高まっています。火災、地震、台風などの影響を受けた場合の被害は甚大なものです。これらに対する備えは必要でしょう。大規模災害に認定されると国などから支援がありますが、生活再建に十分な額とはいえません。火災保険や地震保険など、損害保険に加入しておくのがよいでしょう。
失業
経済が悪化して不況になると失業するケースも考えられます。失業した場合には、雇用保険の失業手当を受け、新しい就職先を探すことになります。失業手当は失業した理由によって、手当がもらえる時期や期間が異なります。失業期間が長引くと生活資金にも不安が生じますので、日頃から預貯金を持っておくのが良いでしょう。自営業者や会社経営者は失業手当の対象とならないので注意しましょう。
介護
高齢化社会で寿命が延びるにつれて介護を受ける人が増えています。老人ホームなどの介護施設を利用するケースと、自宅で介護サービスを利用するケースがあります。介護認定を受けて介護サービスを利用する場合は、介護保険が適用されますが、介護度によって適用の上限額があります。
親の介護をするために仕事をやめる「介護離職」は、収入が長期間減少し、将来の生活資金が準備できなくなるリスクがあります。プロの介護サービスを利用しつつ、自分は働いて収入を得るという考え方の方がよいでしょう。
相続
相続には2つの立場があります。1つは親が亡くなるなどして自分が相続するケース、もう1つは自分が亡くなり子などに相続させるケースです。人はいつ死ぬか分かりません。たとえ親が資産を持っていることが分かっていても、相続で資産が引き継ぐことをライフプランで想定するのは避けた方が良いでしょう。一方、自分が資産をどのように遺すのか、それとも遺さないのかについては、ライフプランを考える上で重要なことです。
しかし、相続で何よりも重要なのは争いを避けることです。相続資産はその人が人生で築き上げてきた資産です。どのように資産を遺すのは、本人が決めるのがよく、最終的には「遺言」という形にするのがよいでしょう。
人生のイベントを5つに分類して紹介してきました。最後の突発的なイベントを除いて、残りの4つの分類についてはライフプランで検討したい項目です。ライフプランを考えるときの参考にしてください。